肌のバリア機能を強化!今からはじめる乾燥対策!

今回は、これから迎える乾燥の季節に向けたスキンケアや、肌の乾燥が起こす肌トラブルについてお話しします。

「乾燥は美容の大敵」「美肌は保湿が大切」あったりまえですよね。

乾燥とひとことで言っても、さまざまな要因で乾燥がおこり、いろんな肌トラブルを起こしがち。“乾燥を制するものが美肌を制する”といっても過言ではない乾燥をあらためて知ることで、正しい保湿で美肌作りを目指しましょう!

 

まずはこれを知るべし!肌の乾燥を招く5大要因!

 

エアコンの長時間利用による乾燥

冬は暖房・夏は冷房と一年中エアコンが活躍する便利な時代ですよね。「家ではお肌に悪いからエアコンは使わない」「エアコンを使っても加湿器を置いているから大丈夫」という方もいるかと思います。でも、家では大丈夫でも外出先や勤め先、電車移動やレストラン、外に一歩出れば紫外線をはじめエアコン社会の今、大丈夫とはいってられませんよね。空気の乾燥は、肌バリア機能の低下を招き、さらに肌の水分が失われ、乾燥の悪循環にはいります。

紫外線によるダメージ

紫外線は、UV-A、UV-B、UV-Cに分かれており、実際に肌に影響があるのはUV-AとUV-Bといわれています。UV-Aは紫外線の大半を占め、肌の奥まで侵入してダメージを与えることで、「肌の光老化」を引き起こします。
UV-Bは紫外線の中では少ないですが、日焼けによる炎症や色素沈着を引き起こしてシミの原因をつくったり、表皮細胞やDNAを傷つけるなど、肌に大きく影響していきます。

加齢による皮脂分泌量の低下

子供のころの肌はみずみずしいのに、成人をむかえ、年齢を重ねるごとに皮膚が乾燥してしまう。悲しいけど誰でも感じていることだと思います。これは加齢により、皮脂の分泌量が少なくなったり、細胞間脂質をつくる機能が低下したりといったことが原因です。
汗や水分の分泌が減ると肌のバリア機能が低下してしまいます。

運動不足(ターンオーバーの乱れ)

運動不足になると、筋肉が衰え、全身の血液の巡りが悪くなります。血行不良をおこすと、老廃物が溜まったままになり、お肌の新陳代謝といわれるターンオーバーが乱れ、これが乾燥肌を招く要因となります。

間違ったスキンケア

実は乾燥の原因として圧倒的に多いのが、間違ったスキンケアによるものです。
例えば、毎日必ずおこなう洗顔。多くの人が必要な皮脂膜(保湿成分)や人の肌に棲んでいる常在菌、その中でも美肌菌といわれる「表皮ブドウ球菌」を落としすぎる傾向にあります。この保湿成分や美肌菌をゴシゴシ洗ったり、熱いお湯で洗い流すことを続けていては、どんなに洗顔後のスキンケアを念入りにおこなっても乾燥は防げません。

 

補充しても水分逃がし放題!鉄壁のバリア職人「美肌菌」!

 

肌は本来、外部刺激から守る「バリア機能」が備わっています。肌表面にあるわずか0.02㎜の角質層がうるおいを蓄え、乾燥と外部刺激から肌を守る役割をしています。
角質層の外側には水(汗)と油(皮脂)が混ざってできた皮脂膜があり、水分の蒸発を防いでくれるのです。
そのため肌のうるおいを保つためには、このバリア機能が健やかに整っている必要があります。バリア機能が低下した肌は、水分の水分が失われ、外部からの刺激も受けやすいので、肌荒れや敏感肌、肌老化などさまざまな肌トラブルを引き起こしてしまいます。

そこで、バリア機能の低下を許さないバリア職人が「美肌菌」なのです。
私たちの皮膚の表面には常に、十数種類の菌が存在しています。その中でも美肌菌といわれる「表皮ブドウ球菌」、これは保湿力のあるグリセリンに似た成分をつくり、「肌の水分をしっかり守る」「抗菌ペプチドを作って悪玉菌の増加を防ぐ」などの役割をしているのです。
美肌菌が悪玉菌より優勢な状態が保たれているときが、バリア機能を強化し、肌の水分を保つため、自然としっとりツルツルした肌になるのです。

【表皮にいる常在菌の種類】

・美肌菌(表皮ブドウ球菌)
汗や皮脂をエサにしてグリセリンや脂肪酸をつくり出す。保湿とともにバリア機能を強化する働きをする。

・アクネ菌
毛穴や皮脂腺に多く存在し、皮脂をエサにして脂肪酸やプロピオンをつくり出すことで、皮膚が弱酸性に保たれ悪玉菌の増殖をおさえる。

・悪玉菌(黄色ブドウ球菌)
皮膚表面や皮脂腺に存在し、皮膚がアルカリ性に傾くと増殖し、肌荒れや皮膚炎などのトラブルを起こす。

肌の救世主「美肌菌」を強化!カンタン強化法!

 

やさしく洗顔、ぬるま湯で洗い流し
肌には汚れや肌に悪影響を与える悪玉菌もいるし、酸化した皮脂も肌に悪いので、洗顔は1日2回必要です。それらの悪影響を与えるものを洗い流す洗顔料は、どんなに肌に優しくても洗浄力はあるものです。
毛穴につまった汚れを落とそうと時間をかけてゴシゴシこするのは、角質層に傷がついて肌老化を招く原因になるため厳禁です。専用の泡ホイッパーや泡立てネットで洗顔料をモコモコに泡立て、皮脂の多いTゾーンから顔全体に泡を乗せ、軽くころがすようにするだけで十分。小鼻の皮脂が気になる方も擦らず、泡をクルクル回すようにするだけ。肌への刺激はぜったいにダメですよ。

洗い流すときも刺激は与えず、ぬるま湯(32℃)を手ですくい顔にかけるようにしてください。熱いお湯で流してしまっては、美肌菌を死滅させてしまうのでこれもぜったいダメ。

※洗顔前にクレンジングを利用する際は、クリームタイプのクレンジング料がおすすめで、くるくるメイクを浮かせるようなイメージでお肌になじませてください。

スキンケアでしっかり保湿

いくら美肌菌がバリア職人といっても、肌の乾燥をほおっておいては、美肌菌も能力を発揮できません。
そのために洗顔後すぐにスキンケアで保湿対策は必須です。オールインワンなどは手軽で好まれていますが、やはり単品のライン使いに比べると効果は落ちるのでおススメできません。
みずみずしい肌を作るには、肌の水分貯水量を満タンにしてあげる必要があります。そこでおススメなのが「化粧水の重ねづけ」です。乾燥した肌は1度の化粧水では足りません。重ねづけをすることで、肌の奥までしっかりうるおすことができるのです。
また、美容液などの栄養成分を奥まで届けるためにも化粧水でたっぷりうるおすことが必要です。ここでも肌に刺激を与えないよう、両手で顔を包み込むように塗布してください。

日常生活の見直し

生活習慣の中でも、不規則な食生活、睡眠不足、ストレス、運動不足はバリア機能低下の原因になります。
美肌菌は皮脂や汗をエサとして、脂肪酸やグリセリンをつくり出し、天然のクリームさながらに肌をしっとりさせてくれます。
その皮脂や汗を美肌菌が食べるのは、ズバリ夜寝ているときなのです。
睡眠不足が肌荒れを起こす要因のひとつに、美肌菌がエサを食べてゆっくりと増殖する時間を失っていることだったのです。

いかがでしたでしょうか。肌を乾燥から守るためには“肌のバリア機能を強化する”ことがとても重要なんですね。
乾燥肌は季節による影響もありますが、日々のスキンケアや生活習慣など、いろいろな要因によって引き起こされることがわかりましたね。特に乾燥が進む12月~2月は、風邪予防とあわせて、乾燥肌対策も積極的におこない、美肌づくりを実践してみてください。